共に生きる

自分とつながる、社会とつながる

キャリアカウンセリングの考え方をベースに、対話を通して、自分自身や他者・社会に対する理解を深め、ひとりひとりがもっている心のエネルギーを活かし、よりよい人生、よりよい社会を創造する力を育むプログラムです。

世の中の大きな変化の中で、あるいは人生の節目で、これまでの自身の生き方や未来について、自身をとりまく他者や社会について、多様なメンバーと語り合い、考えてみませんか。

自分らしく生きるとはどういうことか、共に生きるとはどういうことか。他人事の世界から、当事者として生きる世界へ。それぞれの意味が生まれ、問いが生まれ、実践につながる4日間です。

セミナースケジュール

参加者の声
~4日間を通して~

自分が変われば、世界も変わる

講座終了から 2か月たっても、私の中に残っているものがあります。それは自分の中の 深い部分に触れた語りを初めてできたという、不思議な充足感です。「共に生きる~私の世界、世界の私~」で、参加者の方々との対話や問いかけ、興味深い 数々のワークを通して、自分でも思いもよらなかった深い部分に触れることができました。
自分が気付いていなかった自分に出逢い、自覚するようになった結果、私を取り巻く世界が変わったのです。それは、ちょっとした人の親切や優しさがじんわり染みるようになったことです。
もちろん以前から私の周りにあったものだと思いますが、受け入れる余裕もなく、気づくこともなく過ごしていたのでしょう。今まで、「頑張んなきゃ」「弱いところなんて見せている場合じゃない」と肩ひじを張って頑張ってきた、自分の硬く重たい鎧のひもを少し緩めることで、こんなにも見える世界が変わるのかと、清々しさすら感じました。
きっと自問自答だけではたどり着けなかった場所だと思います。「場」の力を感じられた素敵な講座でした。「自分が変われば、世界も変わる」。自分が世界と深くつながっていると感じられる体験でした。その後、自分と社会の関わりについても折に触れて考えるようになり、今まで気にも留めなかった情報が目に飛び込んできました。そこからボランティアでの社会 貢献を検討している私がいます。

(S.Tさん)

セカンドキャリア、どう生きていきたいかの芽吹き

私の受講目的は、セカンドキャリアを考える中で「これからをどう生きていきたいか」にしっかり向き合いたいという思いからでしたが、講座を通して、受講者の皆さんと同じテーマで語り合う中で、それぞれの違いを感じ、自分らしさを再確認することができ、「他者を知ることで、自分を知る」ということが深まっていったように思います。
そういったことを通して、自分自身の「ものの捉え方」が変わっていっていることを感じています。それは、これまで悩みにつながっていた人との関係性や、より自分らしくいられないシチュエーションや環境を、一歩離れたところから見ることができるようになったことです。具体的には、相手をわかろうとする気持ちが持てるようになったことや、悩みにつながった相手がそうせざるを得なかった理由や大切にしたいものがあったのではなかろうか、それは何だろうか、と理解しようと思う気持ちが持てるようになったことです。
それによって、生きやすくなった、悩むことが減った、人への接し方が変わってきたように感じています。他者を理解しながら、自分を理解し、「みんな違ってみんないい」、そして社会の中で自分らしく生きていく、生かされていく「共に生きる」自分でありたい思いが湧いています。
私は1月に受講させていただきましたが、冬の間に、自分を支えている土を手で確かめ、温かい気持ちを持って耕し、少し寝かせ、水をしっかり吸収し、根が伸び、土に馴染み、春に新しい新芽が芽吹いてきたように思います。受講させていただいたからこそ芽吹いてきた芽を大切にしながら、これからを生きていきたいと思っています。

(T.Yさん)

自分らしく、社会とつながる第一歩

「共に生きる」受講は自分にとって大きな転機となりました。企業の人事部に在籍していた私は、社内でキャリアカウンセリングの実践を積んできました。早期退職をして独立し、10年が経った今も、フリーランスとしてセルフキャリアドックや研修等で組織内のキャリア支援活動をしていますが、本当に自分らしい活動ができているのか、モヤモヤした気持ちを抱えていました。そんな時にこのプログラムに出会いました。このプログラムで自分自身と向き合い、人生を振り返って自分の経験を語りつくした時に「他人事の世界」に遠ざけていたことを「自分を含む世界」に取り込むことができました。そして「ありたい自分」を再認識することができました。そして、日本で学び働く外国人に対するキャリア支援こそ、いまの私が、自分らしく社会につながる活動だと実感しました。
「共に生きる」受講後1年余りがたちますが、その間、私は日本語教師養成講座に通い文化庁指針の420時間を修了して、現在は都内の日本語学校で世界中から集まる学生にキャリア日本語を教えています。これからも日本語を教えながら外国人へのキャリア支援の輪を広げていきたいと考えています。

(M.Oさん)

担当講師&講師からのメッセージ

加藤 貴美子氏 (JCDA認定 スーパーバイザー、インストラクター)

堀上 晶子氏 (JCDA認定 スーパーバイザー、インストラクター)

2022年度に開講した本講座も、2024年度で第10回を終えました。2025年度は第11回からのスタートになります。毎回多様な参加者のみなさんが、ご自身の経験を語りあうことを通して、自分自身や他者、そして社会のありようを見つめ、言葉にされていくプロセスは、行ったり来たり、簡単な道のりでないことも少なくはありません。けれども、そのプロセスこそ、ほんとうに尊いものだと感じています。そして、「自分を取り巻く世界」が「自分を含む世界」になっていくような、そんなみなさんの語りの変容に毎回感動を覚えています。

そのようなプロセスの中で、私たち自身の中にも、自身の捉え方や社会のありようを見つめ向き合う、そんな相互作用が起こります。そこは、その場に参加するひとりひとりの語りやありようが、影響し合いながら、互いの葛藤に伴走し、それぞれの学びと成長を支え合う場です。そして、私たちはそのような場をなによりも大切にしたいと思っています。

「共に生きる」とはどういうことか。語り合うことを通して、味わい、意味づけ、踏み出す。そんな4日間を、みなさんとともに創っていきたいと思っています。みなさまのご参加をお待ちしています

開催概要

開催日時
第11回 1日目:7月6日(日)
2日目:7月13日(日)
3日目:7月19日(土)
4日目:8月2日(土)
全日(10時~17時)
第12回 1日目:10月17日(金)
2日目:10月24日(金)
3日目:11月7日(金)
4日目:11月14日(金)
全日(10時~17時)
第13回 1日目:3月1日(日)
2日目:3月8日(日)
3日目:3月15日(日)
4日目:3月29日(日)
全日(10時~17時)
定員 12名
受講料 66,000円(税込) ※トライアル価格
実施形態 ZOOMオンライン
申込方法 研修申込サイト(leaf)
https://jcda.leaf-hrm.jp/
※以下で検索ください
研修コード:CC01

※JCDA会員でない方(研修申込サイト(leaf)ログインIDをお持ちでない方)は、以下よりログインIDのお申込みを、先にお願いいたします。
IDご取得後、お手数をおかけいたしますが、研修申込サイト(leaf)にて講習のお申込みをお願いいたします。

日本キャリア開発協会会長 立野より
メッセージ

日本キャリア開発協会 会長 立野 了嗣

「共に生きる」という言葉は、2012年、「JCDA会員1万人達成記念大会」の際、大会スローガンとして生み出した言葉です。
キャリアカウンセリングが向かって行く方向性として申しましたが、それだけではなく、社会が成熟して行く方向、もっと大きく言えば人類の進化の方向でもあると考えます。
しかし、大それたことを言っているつもりはありません。
自分自身を大切に思う事、そして身の回りの大切な人を大切にすることが基本かと思います。
JCDAが最も大切にしている言葉をその名称にしたセミナーです。
多くの方にご体験頂きたいと思っています。

『共に生きる』 (2012年5月 一万人記念大会より JCDA理事長 立野了嗣)

社会の仕組みは「共に生きる」が基本です。これはスローガンではなく、人間性に根ざした自然な在り様です。
「共に生きる」は、競争を排除するものではありません。競争は困難を乗り越え、能力を獲得する原動力。しかし他者を打ち負かす為の競争は、やがて社会にひずみを生み、勝者もその負担を負わなければなりません。
人間誰しも求めることは「受け入れられる」こと。されたくないのは「排除される」ことです。「受け入れる」ことが「受け入れられる」ことでもあり、「排除する」ことが「排除される」ことにつながります。「共に生きる」前提は、他者を受け入れ、他者に受け入れられることです。
一人の人間の心の中にも嫌いな自分、認めたくない自分など「受け入れがたい」自分が潜んでいます。しかし、そんな「自分」も「受け入れられる」ことを望んでいます。「受け入れがたい」他者は、「受け入れがたい自分」の他者に映った自分の影かもしれません。「受け入れがたい」自分を「受け入れる」ことは、「受け入れがたい」他者を「受け入れる」ことに繋がります。社会の仕組みと同様に、一人の人間としても「共に生きる」が基本です。

人も、お金も、情報も国境を越えて様々な国の様々な人に伝わります。経済をはじめとした様々な社会活動は、その国一国で完結されるものではありません。アジアの国々と「共に生きる」日本、世界の国々と「共に生きる」日本であり、お互いに支えあい、受け入れあい、共に生きる時代です。
若者が人口の大半を占めた時代、地位の上昇、収入の増大、ものに囲まれた豊かな暮らしが幸せを保証すると思えた時代でもありました。現在日本では 65 歳以上人口が全体の 23%、ほぼ4人に1人が 65歳以上です。超高齢化社会がすぐそこにやってきています。(注:2012 年当時、2022年には29.1%、約3人に1人です)国の安全が保たれ、医療が進歩し、食料の心配が少なくなれば、日本に限らず、その国はやがて高齢化の道をたどることになります。いきおい社会福祉の費用が増大し、かつての生産性を維持できなくなるかもしれません。かつて世界中どこの国も経験しなかったこの超高齢化社会の中で幸福に暮らせるための仕組みやライフスタイルを受け入れ、「共に生きる」社会を実現したいと考えます。
キャリアカウンセリングとは何か。それは「共に生きる」社会を実現することではないかと考えます。