活用するには
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入社時導入研修 (キャリアビジョン策定)

団体名または
代表者名
株式会社グランビスタ ホテル&リゾート 人材開発課
共同実施団体名または実施者名
実施形式
対面
参加人数
(1)2016年3月31日:日本8名 (2)2017年3月31日:日本8名 (3)2018年3月30日:中国1名/ネパール3名/日本13名 (4)2019年3月29日:韓国1名/ネパール1名/日本7名 (5)2019年12月19日:台湾3名/ポーランド1名/日本1名(6)2022年3月31日:中国1名/日本4名

実施対象者

グランビスタ ホテル&リゾート 新入社員

活動の背景、目的

入社時導入研修(新入社員研修)は例年3月最終週に3~4日間のスケジュールで開催しており、研修最終日には、キャリアビジョン策定の時間を設けています。社会という荒波にもまれる前に、新入社員が、「自分らしさ」を知り、自己肯定感を高め、未来に前向きに向かっていけるようにすることがねらいです。
入社後に訪れるリアリティショックを乗り越える為にも、この段階で「自分らしさ」を自覚しアンカーとすることが大事であると考えており、盛りだくさんなカリキュラムであっても、キャリアビジョン策定・金の糸の時間は必ず設けています。
この時間は、①過去を振り返り自己理解を深める「金の糸」 ②キャリアの考え方を学び意識変容を図る「キャリアの考え方(講義)」 ③3年後・5年先の未来を考え、なりたい自分になるために今できることを考える「キャリアビジョン策定」という構成にしています。
安心安全な場でワイワイがやがやと対話を楽しみながら、気づいたら自分らしさが見つかった!となるよう、畏まった研修の雰囲気とは一線を画すようにしています。そのためにも、ファシリテーター自らが楽しんでいる姿を見せ、広い自己開示をするようにしています。

活動中の参加者の様子、変化

ワーク中は、過去の苦い経験を思い切って自己開示するという場面が見られました。その際、同じグループのメンバーが「話してくれてありがとう。」と相手のありのままを受容・共感し、肯定している場面が印象的でした。
それぞれが納得度の高いしっくりくる「金の糸」が見付かりました。金の糸を表す言葉は、名札に記入したり、自己紹介のタイミングで発表したりしました。(例:ポジティブ・雑草・笑顔)
また、海外の教育や文化がどのようになっているのかを知るきっかけにもなりました。普段当たり前に使っている言葉を1つひとつ説明していく過程においても相手の立場に立ったコミュニケーションの重要さに気づくことができていました。

実施にあたって工夫したこと

新入社員の中には、研修の場で同期と初めて顔を合わす人もいます。そのため、研修1日目からグループワークを多く取り入れ、「金の糸」を行う前日には、チームビルディングの体感ワークを必ずいれています。互いに自己開示できる関係性を作ってから「金の糸」を実施しています。
新入社員全員が日本で生まれ育ったというわけではなく、外国籍の新入社員も合同で行っています。
そのため、あらかじめ、新入社員の出身国の教育制度を調べておく必要があります。小学校・中学校・高校・大学という区分でないことも多く、何年制かも異なります。また、給食や部活動といった日本では誰もが知っているであろうワードも、外国籍の新入社員は知りません。運営側としては「金の糸」を進めるにあたり、「『小学校』は〇〇さんの国でいう△△に該当するよ」と教えるにとどまり、すごろくの中に出てくる言葉については、グループの中で解決するように促しています。
日本の新入社員であっても、最終学歴が異なる為、そのあたりの配慮は細心の注意を払っています。
「金の糸」を表す言葉は、日本語に縛っていません。母国語の方がしっくりくるのではないかと思ってのことです。

実施した成果

ワークの最中、互いに分からない単語が出てきたときは、絵に描いて説明したり、漢字で説明したり、英語で説明したり等の工夫をして互いのことを知ろうとしています。自己理解だけでなく異文化理解にもつながる結果となっています。同じ国であっても、出身地が違えば教育制度が異なることもあり、新たな発見につながることもあります。
「金の糸」を行ったあとは、信頼関係がより強くなっていると感じています。
キャリアビジョン策定の後、1人ひとり前に出て、「自分の金の糸」「将来の姿」「行動宣言」を行いますが、宣言が行われたあと、全員から拍手と声援が沸き起こります。その様子は、ビデオで撮影を行い、入社式の後の懇親会の場で上映も行なっています。
2016年から「金の糸」を導入していますが、今後も新入社員研修の機会にキャリアビジョン策定の時間を設け、「金の糸」を行う予定でいます。
現在は、東京で採用になった新入社員を対象に行っていますが、今後は、オンライン等により、全国の拠点で採用になった新入社員に対して一斉に実施できる方法を検討する所存です。また、社会人になって数年経っている社員に対しても何らかの方法で「金の糸ワーク」ができればと考えています。入社5年、10年といった節目に、あらためて「自分らしさ」を思い出す、再構築する機会を作れればと考えております。

当日のタイムスケジュール

3日間の新入社員研修の最終日【キャリアビジョン策定】※3時間のときは講義・個人ワークの時間をコンパクトにしている
<狙い>人生すごろく「金の糸」を用いて、自己理解を深め、働くことの意味を改めて考える
①Will・can・Mustの広げ方 ②自分の経験を棚卸し、「自分らしさ」を探る(金の糸ワーク)
③「5年後どうなっていたいか」(仕事/プライベート双方)を考える
④「3年後どうなっていたいか」(仕事/プライベート双方)を考える
⑤③・④の実現のためにどうするか・どうしたいかを「宣言」(=今後に向けての行動宣言)(「キャリアビジョンシート」)

■グループワーク「人生すごろく 金の糸」【140分】
1.オリエンテーション(10分) 2.エクササイズ「私の好きなもの・こと」(10分) 3.ゲーム実施(20分) 4.ペアワーク(25分)
5.ゲーム続き(15分) 6.シート記入(10分) 7.ゲーム続き(25分) 8.全体振り返り(25分)
■講義
・キャリアの考え方(30分)
■個人ワーク「キャリアビジョン作成」(30分)
■「私の金の糸」「キャリアビジョン」「行動宣言」発表・周りからの声援(20分)