実施者の声①

敬愛大学 キャリアセンター 参与

中村 幸一さん

「人生すごろく『金の糸』」を1年次の授業に取り入れて学生の成長につなげる

敬愛大学では、自ら考えて主体的に行動でき、その行動に責任を持てる人材に育てたいと考えています。そのためには、多様な人々とコミュニケーションを図れるようにすることも大切です。キャリアセンターのミッションは学生の就職活動を支援し社会に羽ばたかせることですが、同時に、社会の発展に貢献できる人材に育てることも大切です。そこまで見据えてキャリア教育体系を考えています。

その方針のもと、「人生すごろく『金の糸』」を「キャリアプランニング」科目で、経済学部と国際学部のほぼ全員を対象に行いました。1クラス約 35人で、10 クラス、約 350 人が経験しました。1年次の授業の狙いは、「多様な人々とコミュニケーションを図り、協働できる人材」を育成することです。そのため、前期に「自分自身を知る」「キャリアとは何か」などをしっかりと身につけ、後期に「将来のなりたい自分・ありたい姿」に近づくために必要とされる社会人基礎力の向上を図ります。「人生すごろく『金の糸』」は、自分の経験を語ることによって、一つひとつの経験をつないでいる【自分らしさ】を見つけ、将来進みたい方向ややってみたいことを考えるヒントになりますので、まさに授業の狙いと合致しています。自分のキャリアに対する想いがある程度芽生えてきた後期の2コマ目で実施しました。

実施してみて、以前はほとんど話さなかった学生もよく話すようになり、望ましいコミュニケーションが生まれたなどの副次的な効果もありました。自ら話すこと、人の話を聴くこと、多様な価値を知ることは非常に重要ですので、1年次の段階で実施したことは良かったと思います。その後、課外活動に積極的に参加する学生が増えるなどの行動変容も見られ、成長につながったように見受けられます。前期から自分の考えを伝えたり、他者の話を聴いたりしながら学んできたプロセスの中で、ほかの授業とリンクするように「人生すごろく『金の糸』」を実施したことで学生の成長につながったように思います。学生は今後も学び続けますので、業務体験や就活に臨む3年生になってからが楽しみです。