<企業での活用事例>内定式「自分を知ろう、お互いを知ろう、後輩の話が聞ける先輩になろう!」
代表者名
実施対象者
定期入社内定者および若手先輩社員(5~7年目)
活動の背景、目的
例年、内定式後に内定者同士で金の糸を実施している。初めて会う「同期」がどういう人なのかを深く理解し、これから友人、ライバルとして切磋琢磨できる仲間の輪を作ることが目的である。
今回は、それに加えて、若手社員にファシリテーターとして参加してもらい、内定者同士の話をスムーズにし、内定者が経験(事柄・感情)を語れるように促してもらうことを目指した。
ここには、昨今の離職率上昇の理由でもある上司部下、先輩後輩のコミュニケーション不足の解消という目的もあった。先輩社員には金の糸を通して、話を上手に引きだしながら、個人個人の性格を理解し、チームの輪を構成していく、という一種のマネジメントを体験させることができた。
活動中の参加者の様子、変化
内定者同士で初めて会う機会であり、会社の役員や人事部長等とも対面するため内定式中は緊張している様子であった。金の糸ワークに入ってから緊張感は和らいだものの、就職活動を通じて「何か評価されているのでは?」「良いところを見せなければ」という意識があったようである。先輩社員のざっくばらんな仕事のエピソードを聞くことで、素のままで良いと感じてくれた。また先輩社員の促しに肩を借りる感じで内定者たちはとても良く経験(事柄と感情)を語っていた。緊張感から安心安全の場に変化していた。
実施にあたって工夫したこと
例年内定式にて金の糸を実施していたが、内定者同士の関係を深めるためのツールで終わっていた。今回は自分を深く振り返るということも大きな目的とし、各グループに若手先輩社員をファシリテーターとしてつけた。金の糸のファシリテーターは話を深堀したり、話し手のその人らしさを捉える必要があるため、事前に勉強会を実施した。金の糸の目的やルールは勿論の事、マイクロカウンセリング技法のかかわり行動や質問の技法をレクチャーやロープレを交えて数時間にわたり事前学習した。実際に先輩社員同士での金の糸も実施し、金の糸を楽しむという感覚を養ってもらった。
また、内定者が、当社で働く人はどんなことを大切にしているのか、どんな思いで働いているのかを知る良い機会であると考え、金の糸を言語化する段階では先輩社員の金の糸を紹介してもらえるように準備した。
実施した成果
例年、自分の金の糸を言語化するというところまで到達できない内定者が多いという課題があったが、今回は先輩社員の促しもあり、一つ一つのテーマについて深く語っていた。テーマを深堀することで、自分らしさに気付いたという感想が多かった。また、先輩社員がファシリテートすることで、内定者の中からリーダーを決める必要が無く、フラットな関係性が築けた。
先輩社員からも「人の話を聞くこと(引き出すこと)の難しさ、傾聴についての学びが多かった。また、これから入社してくる学生たちの前向きさを知ることで、自身も大きな刺激となった、初心を忘れていた」という意見が多数あった。
現在、当社では管理職層になっていく人材のマネジメント力強化を課題としている。傾聴やファシリテーションができる管理職を沢山生み出していくためにも、今回の経験は非常にプラスになると感じている、
当日のタイムスケジュール
・グループ分けワーク(10分)
・グループ内自己紹介/キャリア構成理論の説明/金の糸とは?ルール説明(20分)
・一番古い記憶を語ってみよう(15分)
・ゲーム実施(小学校)(40分)
・感想共有(5分)
~休憩5分~
・ゲーム再開(中学校)(40分)
・金の糸を言葉にしてみよう(メモの共有/金のを見つける/全体共有)(30分)
・先輩社員から感想と内定者に感じた強み、仕事をするうえで心がけてること
内定者への激励(5分)