活用するには
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<企業での活用事例>ゲーム『金の糸』で学ぶコミュニケーション

団体名または
代表者名
SOMPOビジネスソリューションズ株式会社 幡多理香
共同実施団体名または実施者名
実施形式
対面
参加人数
各回20名以内(3~4人×5グループ) ※ゲームするにあたり、講師ひとりでも全員に目が届く範囲

実施対象者

職員ならだれでも。役職、年齢問わず

活動の背景、目的

研修の主催部の方から以下のような相談を受けた。
1.在宅勤務等による働き方の変化や業務の多忙さにより、エンゲージメントサーベイの結果があまりよくない。
2.リーダー職との会話がほとんどなく、何を考えているのかわからない。
3.職場はチーム制をとっており、チーム内ではコミュニケーションがとれているが、チームを越えたコミュニケーションが取れていない。
4.職場のメンバーは多忙なため、避ける時間は2時間がせいぜい。

以上から、雑談の大切さを理解し、相手を知るとはどういうことなのかを2時間くらいで学んでもらえるような研修行うことになった。

活動中の参加者の様子、変化

開始時点では、よそよそしい態度であったが、すごろく『金の糸』が進むにつれ、表情が明るくなり、笑顔があちらこちらで見られた。
自分を振り返る場、相手を知ることの楽しさ、嬉しさを知ってもらう場、「コミュニケーションスキル」と構えるのではなく、実はすでに使えているものもあるということを体感してもらう場
こういったことを理解してもらえたようだった。

実施にあたって工夫したこと

・研修は対面のみとし、「すごろく」を体感してもらうことで、どんな質問のところに止まるのかわくわく感をもって取り組めるようにした。
・1グループ内は職種や年齢をできるだけごちゃまぜでおこなった。
・研修全体の時間を2時間半にしてもらい、タイムキーパーは実施者が行うなどテンポよく進められるようにした。
・自己開示を嫌がる人がいることを予想し、話したくないことは「パス」でもかまわないといったルールを作った。
・キャリア研修ではないため「STOP」マスは今回スルーにした。
・ベテラン社員については、ゲーム開始まもなくは、自分のことを話すのが恥ずかくためらってしまうケースがあったが、そういった人については、実施者がそれとなく入り共感することで話しやすくした。
・アンサーボードについては使いづらそうであったため、無理に使用せずとも、回答の深掘りするような質問をたくさんしてほしいということで進めた。

実施した成果

【運営者アンケート結果から】
・ゲームは30分という短い時間だったが、みんなが主体的に取組むことが出来、チーム内のメンバー同士の距離が縮まることを体現できるツールであることを強く実感した。
・日頃の会話でもなかなかこのようなことを話す機会がないので、いい機会だった。
・座学もあるという構成だったので、研修内容が入ってきやすかった。

【455名の参加者アンケート結果】
0~10の11段階評価でアンケートを回答してもらった結果、平均満足度は、テーマ、運営、内容ともに8.5以上となり、参加者にとって非常に有意義な研修であった。
多くの参加者から「楽しかった」「学びがあった」「他部署の方と交流できた」などの声があがった。ゲームを通して、参加者は自然とコミュニケーションを取り、相手のことを知ることができたようだ。

その他、伝えたいこと

・すごろく『金の糸』をキャリア開発ではなく、組織開発におけるコミュニケーションツールとして活用した。
・2024年度は38回の研修を実施した。合計で592名の方にご参加いただいた。
・講師は他2名(CDA会員以外)で実施。
・研修後、金の糸ゲームを購入してくれた部署が3か所あり、、引き続き活用してくれている。
・2025年度も引き続き研修を行って行く予定だが、「研修時間が2時間30分では長い」いう声が多かったため2時間で行うよう試作中。

当日のタイムスケジュール

2024年度実施内容
9:30-10:10 オープニング 自己紹介、研修の目的、成功の循環サイクル、コミュニケーションの重要性(グループ討議)など
10:10-10:40 すごろく『金の糸』実施
10:40-10:50 休憩
10:50-11:30 うわさ話、すごろく『金の糸』をやった感想
11:30-11:45 「よく聴く」ということを解説、「観察する」ということから「優位感覚」を紹介
11:45-12:00 「これから職場でやってみたいこと」を定め、グループ内で共有(宣言)