アンバサダー日誌
Ambassador's Diary
地域 2025-07-29

014 就労移行支援事業所 「親の会」で体験してもらった結果・・・

上林 良子

過去を語り、当時の記憶や感覚を鮮明に感じる参加者

こんにちは。金の糸アンバサダーの上林良子です。

今回『金の糸』を実施した「親の会」は、就労移行支援事業所利用者の

保護者を対象とした交流会です。

当事者対象のd-café<まったり交流会>から派生し、2024年3月より隔月で開催しています。

金の糸アワード企画部門での受賞を契機に、定期的なワークショップと

保護者支援の行動計画を実行に移しました。

 

今回は2チーム編成で実施し、それぞれに支援者が同席。

私はファシリテーターとして「人生すごろく 金の糸」を用いたワークショップを行いました。

目的は、保護者としての立場ではなく「自分自身」にフォーカスし、

自分の人生を振り返る時間を持っていただくことにありました。

 

親世代にとって、ゲーム形式の説明がやや難解な場面もありましたが、

スタッフと共にサポートしながら進行しました。

進行中、参加者の表情には次第に笑顔が見られ、

語りの中には色や風景、温度、感触といった具体的な記憶の描写も現れました。

 

「親である前に、ひとりの自分として語る時間」

【気づき・伝えたいこと】

このワークを通じて改めて感じたのは、どの親御さんも、自分の人生を語る中で

「忘れていた大切な想い」や「当時の自分の気持ち」に気づく瞬間があるということです。

これはまさに「金の糸」に触れるような体験であり、

過去の経験を肯定的に捉え直すきっかけになります。

 

また、今回の主眼は「当事者の親」としてではなく

「一人の人間」として自分の経験を見つめ直すことでした。

これにより、子どもにもそれぞれの思考や感情、価値観があることに気づき、

親の想いを一方的に押し付けるのではなく、対話を通じた関係性の構築のヒントを

持ち帰っていただけたように感じます。

 

一方で、ある保護者からは

「周囲からのフィードバックは、自分が演じている姿に対するもので、それが金の糸かはわからない」

との声もありました。

このような戸惑いも含め、語ることで初めて向き合える感情があることを再認識しました。

 

私たちアンバサダーの役割は、誰の中にもある「金の糸」に光をあて、

自分らしさを認める視点を提供することだと感じています。

これからも、保護者・当事者双方の視点を大切にしながら、この活動を継続していきたいと思います。