CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー:Career Development Adviser)は、日本キャリア開発協会(JCDA)が認定する資格です。誰もが「ありたい自分」を持つという肯定的な人間観をベースに、相談者自らの気づきによって自己概念の成長を促し、「その人らしい生き方・働き方」を支援することに特色があります。すでに約2万人の資格保有者がさまざまな領域で活躍しています。
CDA(Career Development Adviser)は、人のキャリア形成に関わる専門家です。
人を支援する専門家が、人というものを、どのような存在としてとらえているかは、とても大切なことです。なぜなら、それは支援のスタンスに関わってくるからです。
JCDAでは、人は誰でも「自分はこうありたい」というエネルギーを持っていると考えています。普段、「自分はこうありたい」といったことは、ほとんど意識されることはないことかもしれません。けれども実は、人は、日々起こるさまざまな出来事を「ありたい自分」を通して感じ、考え、自分らしい選択をしています。そしてそれらが、その人の今につながっています。人には、そのようにして紡がれてきたオリジナルの人生のストーリーが一人一人にあるのです。そして、その一つ一つが、かけがえのないものです。
CDAは、人をそのような存在だと捉えています。こうした人間観に基づいているからこそ、相談者は肯定的に自分と向き合えるようになるのです。
CDAが相談者の経験を一緒に振り返っていくと、相談者は今までの自分の選択に共通していることがあることに気づいていきます。それが、相談者自身が知らず知らずのうちに、生きるうえで大切にしてきたこと、「ありたい自分」に向けてのエネルギーにつながるものです。人生の一つ一つの経験に実はつながりがあることに気づいたとき、人は「ああ、自分はこういうことを大切にして生きてきたかったのだな」という実感を持つことができます。その実感を持つことができれば、人は仕事の悩みや不安に対しても、一時的な対処法に頼るのではなく、自分らしく生きていくためにどうすればいいだろうかと、その人なりの方向性を考えるようになっていくのです。
一人一人の存在をかけがえないものとしてとらえ、そして相談者自身が自らが大切にしているものを軸として自分らしく生きていく支援をする。一人一人の大切なものを尊重していけば、やがては多様性に満ちた、共に生きやすい社会にもつながっていくでしょう。
個を尊重しながら、よりよい社会をデザインする。
自分らしい領域・方法で、たくさんのさまざまな専門性を持った仲間たちとそんな活動ができるのが、CDAの魅力と言えるでしょう。
JCDA には、9 つの支部と33 の地区があり、CDA 会員がボランティアで支部・地区の企画・運営をしています。
支部・地区では、それぞれの経験や興味あるテーマを持ち寄り、キャリアカウンセリングを通して社会に貢献していくために何を学び、どのような活動ができるのかを真剣に考えています。
ぜひ素敵な仲間とつながりましょう。
CDA の学びの中心に「経験代謝」があります。経験を通して相談者の「ありたい自分」を共に考えていくという大切な考え方です。
そのため、まずはCDA 自らがありたい自分を自覚し、日々の経験から学び続ける存在でありたいと考えます。
CDA には、会員が主催する勉強会や研究会、啓発交流会、JCDA 主催の講習・研修などさまざまな学びの場があります。
JCDA は「キャリアカウンセラーがよりよい社会をデザインする」というコンセプトで活動しています。
みなさんがこれから出会う相談者の方々が、社会の中でどんなことを味わい、経験しているのか。
私たちは相談者を取り巻く環境にもアンテナを立てていきたいと思っています。
キャリアカウンセリングの実践を通して、共に考えていきましょう。
クライエントとの間に有効な関係を築き上げるための基本スキルを利用して、“望ましいキャリア”を支援することができる。
高齢者、女性、障害者など特定のニーズを持つ人々が必要とするサービスを提供できる。
CDAの守るべき倫理基準を知るとともに、現行の法的規制を把握している。
キャリアカウンセリング分野におけるCDAのスキルや知識をさらに伸ばしてくれる資格を持ったスーパーバイザーやその他の専門家と良好な人間関係を築き、アドバイスを受け、新しいことを教わることができる。
米国で使われているキャリア・デベロップメントの理論やモデルを知り、日本で活用することができる。
キャリアの選択やプランニングを支援する目的でトレーニングを実施し、その結果としてのフォーマル/インフォーマルなアセスメントについて、これを実行、解釈、利用することができる。
ウェブなどコンピューターを利用したサービスやデータベースを理解し、これをクライエントとともに効果的に利用することができる。
キャリア情報や労働市場情報を自ら理解するとともに、他の人がこれを理解したり見つけ出したりすることを助けることができる。
求職や就職の方策を知り、それをクライエントに教えることができる。
クライエントがグループである場合の教え方やテクニックを駆使し、サービスを提供することができる。
特定のクライエントやグループに対してサービスを提供するためのプログラムの立案に参画し、その実行や評価を支援することができる。
キャリアカウンセリングというサービスの普及とPR活動をすることができる。