日本キャリア開発協会(JCDA)はキャリアカウンセリングを行う実務家のためのCDA資格認定団体です。
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キャリアを考えるには

キャリアとは、仕事を含めた人生全般を指す言葉です。
ですから、キャリアを考えるということは、さまざまな角度で自分自身のことを見つめなおすことにつながります。
外的キャリア・内的キャリアという考え方に着目して、履歴書・職務経歴書などに表される職種・業種・肩書などの外的な側面だけでなく、やりがいや満足感、自分自が大切にしていること・価値観などに目を向けるようにしてみましょう。

「キャリアの棚卸」をしてみる

自分自身のキャリアを考えていく際に、よく言われるのが「キャリアの棚卸」をするということです。キャリアの棚卸とは、これまでの自分が、どのような経験をしてきたのかを思い起こして、自分の強みや弱み、価値観などを一つ一つ言葉にしていく作業です。
履歴書や職務経歴書を書くというのも、その一つの方法です。職務経歴書を作る際には、職務経験を自分なりの区切りに分けて、どんなことを経験したのか、そこでどんなことを感じたのか、工夫したのか、褒められたり喜ばれたりしたのかを書いてみましょう。また、収入のある仕事だけでなく、例えばPTAやボランティアでの活動、家庭や地域での役割、友人との活動などでも考えてみるとよいでしょう。
自分自身でキャリアの棚卸の作業がうまく進まなかったり、自分の強みや価値観が見えにくいと感じたときは、キャリアカウンセラーに相談してみてもよいでしょう。

「ライフラインチャート」を描いてみる

本格的なキャリアの棚卸の前に、手軽に自分自身を振り返る方法の一つに「ライフラインチャート」を書くという方法があります。紙と鉛筆があれば誰でもできる方法です。
ライフラインチャートは、縦軸に満足度(充実度)、横軸に過去の年齢(時間軸)をとったグラフです。横軸は左端が0歳の時、そして右端は現在や想定する将来のある時点を置きます。その表の中に、自分の人生の満足度を表す曲線をフリーハンドで描いていくのです。満足していた時期はラインを上げて、逆に満足できていなかった時期は下げるようにして描いていきます。
フリーハンドで曲線を描く前に、人生をいくつかの時期に区切って、自分自身の経験を思い起こしておくと、よりよい振り返りになります。特にルールはありませんので、例えば、経験した主な出来事や、印象に残る人やモノ・本など、自分自身にとって印象に残ることを書き出しておくとよいでしょう。
ライフラインチャートが出来上がったら、曲線の山と谷になっている部分(いくつかあると思います)に、その簡単な説明文をフキダシにして書いてみましょう。例えば「すごく忙しかったけど、職場の仲間たちと協力しあって、目標達成に向けていろんな工夫を考えだしていたのが充実していた」というように。

それができたら、自分自身にこんな風に問いかけてみてください。

  1. 1. 山の部分を見て、共通することは何だろう? 自分が満足(充実)していたのはなぜだろうか?
  2. 2. 谷の部分を見て、共通することは何だろう? 自分が満足(充実)していなかったのはなぜだろうか?

これらの自問自答から、自分自身に特有なパターンや自分にとってのキーワードを見つけてみてください。きっと自分にとって大切なこと、価値基準が見えてくるはずです。

すごろくゲーム『金の糸』で経験を振り返る

ライフラインチャートの項で紹介した、自分自身の経験を振り返って、自分にとっての大切なキーワードを見つけるのは、他にも方法があります。手軽なのは、日々の出来事の中で印象的なことを手帳などに書いてみるという方法です。ライフラインチャートと同じように、そこに共通点はないか、自分なりのパターンはないか考えてみると良いでしょう。 また、何人かで集まって、経験を語ってみるということも有効です。 JCDAが開発した「人生すごろく『金の糸』~golden thread~」は4名グループで行うことのできる自己探索を支援するツールです。グループのメンバーと楽しく経験を語りながら、さまざまな問いかけに対して振り返ることを通して、自己理解が進んでいきます。 主に就職活動を控えた大学生を対象としたツールですが、社会人でも十分に楽しめます。

キャリアカウンセラーと話してみる

自分自身でキャリアの棚卸をしてみても、今一つピンとこないという場合は、専門家であるキャリアカウンセラーと話をしてみるのも一つの方法です。JCDAでは、「キャリアカウンセリングルーム」を設置して、みなさんのさまざまなご相談に対応しています。
JCDAが認定するキャリアカウンセラー(CDA)が「自分の仕事人生や生活をよりよくしたい」というみなさまを親身になってサポートいたします。