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2025年6月23日、HR(人事)とEX(従業員体験)をテーマとした研究会の第1回に参加しました。
この研究会では、日本企業の変革に向けて、HRのリ・デザイン、EXのデザイン、キャリアのデザイン、人材育成のリ・デザイン、そして組織文化のデザインに至るまで、幅広い視点から参加者が共に学び合います。

キャリア支援に携わる立場として、「体験(Experience)」が個人のキャリア形成や組織の成長にどう関わってくるのか──実践事例や理論的背景を通じて考える機会となりました。

なぜ「EX(従業員体験)」が今、重要なのか

冒頭では、「なぜ今、HRとEXをデザインする必要があるのか?」という問いが投げかけられました。
近年、働き方や人と組織の関係性は大きく変化しており、企業には制度や施策だけでなく、「社員がどのような体験(経験)をしているか」という個別性に着目する視点が求められています。

このアプローチは、JCDAが大切にしている「経験代謝」──経験を人の成長の糧として捉えるキャリア形成支援の視点とも重なります。

多彩な実践者からの学びと対話

この日は、DX推進やデジタル人材育成を担う実務家の方々から、組織変革やEXの実践に関する知見が共有されました。

印象的だったのは、「従業員は“サービスの提供者”であると同時に、“企業文化の体現者”でもある」という視点です。
また、EXを企業文化やリーダーシップの関係性から捉え直す議論では、上司と部下、現場と本社、人事と経営といった、組織内の見えにくい“関係性の質”こそが、EXの中核を成すという提起もあり、非常に示唆に富んでいました。

越境・共創・可視化──これからのHRとキャリア支援に必要なこと

今回の研究会を通じて特に印象に残ったのは、「越境すること」の価値です。
HR、デザイン、マーケティング、ITなど、異なる専門性を持つ参加者が共に語り合うことで、新しい視点や問いが生まれていく──まさにこれ自体が「越境学習」であり、参加者一人ひとりにとっても新たな“経験”になっていたと感じます。

JCDAの視点から──“体験(経験)”をどう成長支援につなげていくか

本研究会で扱われた「従業員体験」は、制度やサービス設計を超えた、日々の働く「経験」そのものを対象としています。
一人ひとりが組織の中でどんな経験をしているのか──それをどう言語化し、意味づけ、次の行動に結びつけていくのか。
JCDAでは、人の「経験」には、その人固有の物の見方や考え方が映し出されており、それこそが「その人らしさ」や「成長の源」になると考えています。

今回の学びを、組織現場における今後のキャリア支援の実践にどう活かしていくか。
多様な専門性との対話を続けながら、経験を起点とした支援を磨いていきたいと思います。

参考リンク
JCDAのキャリアカウンセリング
https://www.j-cda.jp/your-own-career/jcda-career-counseling.php

経験代謝について
https://www.j-cda.jp/your-own-career/learn-deeply.php