日本キャリア開発協会(JCDA)はキャリアカウンセリングを行う実務家のためのCDA資格認定団体です。

JCDAの両立支援

日本社会の現状と課題

今日がんは日本人の死亡原因のトップであり、生涯に2人に1人ががんに罹患し、毎年100万人に新たにがんが見つかっています。そのうち3分の1が、20歳から65歳までの「就労世代」であると言われています。

平成28年12月に改正・施行された「がん対策基本法」では、「がん患者が尊厳を保持しつつ、円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備」という文言が盛り込まれるなど、がんの治療をしながら働くことが、当たり前となる時代になりました。しかし、がん患者の復職に向けた就労移行にはまだまだ多くの課題があります。

JCDAにおける両立支援事業

JCDAでは、治療と仕事の両立支援において、啓発・育成・支援の側面から事業を進めています。

啓発活動:2017年に国の動向に合わせて社会課題の解決に寄与する団体として、 JCDAにおいて社会貢献事業を立ち上げ、「JCDA両立支援プロジェクト」を始動しました。まずは、各県ごとにJCDA両立支援推進メンバーとして選出されたCDA会員が各県の労働局が主催する地域両立推進メンバー会議にメンバー会議に参画しています。各県の推進メンバーの特徴に応じた啓発活動を進めています。また、キャリアカウンセリングを知らない方が多いことから、まずは治療と仕事の両立支援をテーマにキャリアカウンセリングを体験いただけるよう、「30分無料相談」を実施しています。電話(一律料金)とオンラインのため、全国どこからでもお試しできます。

育成活動:キャリアコンサルタント向けの更新講習である、技能講習を開催しています。今後も専門性の高いキャリアコンサルタントを輩出できるよう、プログラム開発を進めていきます。

支援活動:こうした社会の課題「治療と仕事の両立支援」の解決の一助として、りぼら(リハビリボランティア)事業*を立ち上げました。「がんになった経験を社会に活かす」ため、「社会復帰前後のモヤモヤ」をキャリアカウンセラーが伴走しながら解消し、一緒に準備をしていくための新しい支援のカタチとなります。

*「りぼら」は2020年3月に日本対がん協会の休眠預金活用事業(金融機関の「休眠預金」を社会貢献に使う法制度)に採択されたプロジェクトです

JCDAの特徴を活かした取り組み

経験代謝*を軸にしてキャリアカウンセリングを行なうCDA会員が、治療と仕事の両立を望むがん患者の方々のこれまでの経験や今の気持ち、そしてこれからの希望を聴きながら、治療と仕事の両立をサポートしていきます。

*経験代謝は日本キャリア開発協会の登録商標です

関係団体との協力関係について

JCDAでは、両立支援を主導する厚生労働省を始めとして、日本対がん協会、文京区などと協働して本事業を推進しています。

なお、JCDAは日本対がん協会と共に毎年11月23日に「働く世代のがん患者向けイベント ~がんになった経験を社会に活かそう」を開催しています。

過去の取組みはこちら

がん等の病気治療をしながら働く、あるいは職場復職を目指す従業員がいらっしゃる企業・団体の皆様へ

この度は、日本キャリア開発協会のキャリアカウンセリングに関心を寄せていただきありがとうございます。現在、私たちの団体もがん等の病気の知識や経験を持ち合わせているキャリアカウンセラーを中心に、治療しながら働き続けられるよう「治療と仕事の両立」を応援しております。

2人に1人ががんになる時代、医療が進歩して働きながら仕事ができる人が増えてきました。病気であっても、従業員が本来の力を発揮できるようになることで、貴重な戦力を維持させることができます。とはいっても、会社でどのように対応、配慮するとよいのか、という相談も多く受けます。

一方の病気になった従業員にとって、「仕事を今後どうするか」、という大切な問題に直面します。しかし、治療で変化していく心身と今後のキャリア(働き方・生き方)についてどう考えていけばいいのか、なかなか答えが見えない状況に先行きが不安になったり、自信をなくすこともあります。さらに、これまで職業人として頑張ってきた自負やプライドもあります。治療によって変わってしまった心身を受け入れるには時間を要する場合があります。こうしたことから、働けるのに、迷惑をかけたくない、期待に応えられなくなる、といった思いから辞めてしまうケースが問題になっております。こうした事態を未然に防ぐため、制度の利用や仕事の調整だけでなく、心とキャリアのサポートが大切になります。

こうした背景から就労の専門家であるキャリアコンサルタントの活用をお勧めしております。どんなに会社として働き続けられるよう配慮したくても、有能な従業員であればあるほど、本音を言いづらい傾向にあります。職場とも家庭とも異なる第三の視点から、一度立ち止まって今後の働き方について考える場は、病気になっても続く職業人生をより豊かなものにする機会にもなります。しかし、患者本人は、病気治療と仕事における様々な選択と決断の連続で、周囲に相談する心の余裕がありません。だからこそ、管理者の立場である皆さまより、こちらの相談窓口をご紹介いただき活用いただくことで、互いのコミュニケーションを加速させることが可能です。手放したくない人材に働き続けてもらうためにも有効に活用いただければ幸いです。