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1945年8月6日に広島、そして8月9日に長崎に原爆が投下されてから、今年で80年。
節目の年である2025年8月11日、JCDA長崎地区会主催の「平和祈念ワークショップ」が開催されました。
オンライン形式ながら全国各地から会員が集まり、被爆体験を聴き、平和について語り合う貴重な時間となりました。

■ 被爆体験者の講話
講師は、小学1年生の時に被爆された八木道子さん。終戦後は教職に就かれ、退職後は語り部として平和教育の活動を続けていらっしゃいます。
被爆体験を聴く機会は年々減っていますが、八木さんが語る出来事は、数字や歴史資料だけでは伝わらない生きた記憶そのものでした。言葉の一つひとつに重みがあり、今もなお続く痛みを改めて感じさせられました。

講話の最後、「平和のバトンタッチ」という言葉がとても印象的でした。
「平和とは、周りの人、お友達を大切にすること」と子どもたちに伝えているそうです。
また、子どもたちから寄せられる中で最も答えるのが難しい質問は、「人はなぜ戦争をするのか」というもの。
その問いに対し、「過去の過ちをきちんと知り、なぜ…を考え続けていくことが大人の務め」と語られました。

戦争を体験した世代から次の世代へ記憶と想いをつなぐこと。
子どもたちに安心・安全な日々を守るために私たちができること。
八木さんの言葉は、温かさと同時に、大人としての責任の重さを教えてくれるものでした。

■ 学びと今後へのつながり
講話の後は、次の3つのテーマについてグループで語り合いました。

1. 被爆80年の節目に際し、講話を聴いて感じたこと
2. 今日の講話はどんな経験になったか
3. 今後のCDAの活動に、どのようにつなげていくか

これまでの人生と照らし合わせながら考えたことや感じたことを共有し合い、さまざまな視点が交わされました。
日常の中で経験を語る場をつくること、経験を聴く機会を増やすことの大切さを再確認しました。
特に、キャリアカウンセラーとしての役割は、対話を通して人と人との信頼関係と理解を深め、互いの尊重と成長を促すことです。平和は日々の選択や行動の中で育まれるものであり、その土台を築く営みに私たちの活動は直結していると感じました。

■ おわりに
長崎地区会の皆さま、そして貴重なお話をお聞かせくださった八木さんご夫妻に、心より感謝申し上げます。
被爆体験を聴く機会は年々減っていきます。その分、聴かせていただいた私たちが次世代に語り継ぐ責任があります。

今後のJCDAの活動においても、学んだことを日常の対話や支援の場で活かし、一人ひとりの関わりの中で「平和のバトンタッチ」を続けていきたいと思います。
本当にありがとうございました。