皆さま、日頃より大変お世話になっております。
JCDAの佐々木です。
2026年6月21日(日)、宮崎市の県電ホールにて、令和8年度第1回JCDA宮崎地区会として、JCDA宮崎地区会の12周年記念イベントが開催されました。
宮崎地区会は、令和8年1月をもって設立12周年を迎えました。今回の全体テーマは「12周年への感謝」。これまで宮崎地区会を支えてこられた皆さまへの感謝を込めて、午前中は地区会の「あゆみ」を振り返り、午後は「これからの道」をテーマに、CDA・キャリアコンサルタントとして私たちにできることを共に考える一日となりました。
会場となった県電ホールは、参加者同士の顔が自然に見える、とても印象的な空間でした。
誰かが前に立ち、誰かが後ろで支えるというだけではなく、これまで関わってきた人、今ここにいる人、これからの宮崎地区会をつくっていく人たちが、同じ場に集い、互いの顔を見ながら時間を過ごす。そんな一日でした。
前日には懇親会も開催され、宮崎の皆さんはもちろん、九州・沖縄支部の皆さん、歴代地区長、地区会の立ち上げや発展に関わってこられた方々が集いました。私自身も、宮崎の皆さんの温かさに迎えていただき、2日間を通して、とても心に残る時間を過ごさせていただきました。
経験代謝と自己概念をめぐって
午前の開会行事と総会に続き、立野了嗣会長と黒木陽子理事によるスペシャルトークが行われました。
立野会長からは、「経験代謝を語る〜自己概念の揺らぎ」と題して、経験代謝における自己概念についてのお話がありました。
日常の中で何か出来事に出会い、それまでの自分のものの見方や考え方が揺らぐ。その揺らぎは、単に困った状態というだけではなく、新しい意味づけや新しい自分へとつながっていく大切なプロセスでもあります。
そのような揺らぎの中にある相談者に、キャリアカウンセラーはどのように関わるのか。立野会長は、その心がけとして「思いやり」と「その人のありたい自分を見ていくこと」の大切さを語られました。
続く黒木理事からは、「経験代謝の現場」と題して、企業や組織の現場で経験代謝がどのように生きているのかについて、具体的な事例を交えたお話がありました。
支援者自身が、自分の中の矢印、つまり自分自身の揺らぎや心の動きを大切にすること。そして、自分の中で起きていることを認識し、自分の言葉で行動していくことが、誰かの経験代謝を動かすことにもつながっていく。
「経験代謝」は、理論として語られるだけのものではなく、一人ひとりの現場で、日々の関わりの中に息づいているものなのだと、改めて感じる時間でした。
「ボクらの時代 in 宮崎」――恩人たちとたどる地区会のあゆみ
続く座談会リレーのタイトルは、「ボクらの時代 in 宮崎」。
宮崎地区会の12年を、ゆかりのある“恩人”の皆さまと共に振り返る時間でした。
宮崎地区会が設立される以前、宮崎のCDAの皆さんは、熊本地区会の勉強会やウェルカムトレーニングに参加されていたそうです。そこで熊本の皆さんとの出会いが生まれ、「宮崎にも地区会をつくろう」という機運が少しずつ高まっていきました。
当日配布された「JCDA宮崎地区会のあゆみ」には、2013年の設立準備から現在に至るまでの活動が、年表形式でまとめられていました。
宮崎地区会は、2013年の設立準備を経て、2014年2月に設立総会を迎えました。そこから、ピアトレーニング、地区総会、金の糸、キャリア教育、両立支援、経験代謝に関する学びなど、時期ごとにテーマを重ねながら活動を続けてこられました。
会場も、宮崎県立大学、宮崎市民プラザ、ポリテクセンター宮崎、オンラインなど、その時々の状況に応じて変わってきました。コロナ禍には、集まることが難しい中でもオンラインでつながりを保ち、地区会としての歩みを止めずに続けてこられたことが、年表からも伝わってきます。
座談会では、初代地区長である故・矢野龍彦さんの設立時のご挨拶も紹介されました。その中には、宮崎地区会の合言葉として「聴き合い、伝え合い、学び合う」という言葉がありました。
この言葉は、12年を経た今も、宮崎地区会の土台に流れているように感じます。
立ち上げに関わられた皆さんからは、熊本地区会とのつながり、準備に奔走した日々、仕事が終わった後に集まって打ち合わせを重ねたこと、そして「苦労」というよりも、仲間と一緒につくっていくことが楽しかったというお話がありました。
「居場所だった」という言葉もありました。
仕事でも家庭でもない、自分が学びたいことを学び、同じ思いを持つ仲間と出会える場所。宮崎地区会は、誰かにとって、そのような場所として始まり、続いてきたのだと思います。
また、コロナ禍で集まることが難しくなった時期のことも語られました。どうつながりを続けるのか、どう地区会を運営していくのか。戸惑いの中でも、九州・沖縄支部の皆さんに支えられながら、オンラインでの活動などを通して乗り越えてこられた時間がありました。
地区会は、一人でつくるものではありません。誰かの思いに、別の誰かの思いが重なり、そこにまた新しい人が加わっていく。その積み重ねが、宮崎地区会の12年を形づくってきたのだと思います。
「これからの道」――CDAとして、私たちにできること
午後は、「これからの道〜私たちにできること・資格をどう生かしていくか」をテーマに、CDA・キャリアコンサルタントとして私たちにできること、資格をどう生かしていくかについて考えました。
冒頭では、私自身のキャリアインタビューの時間をいただきました。
CDAを取得した当初、私自身は最初から明確な志を持ってCDAになったわけではありませんでした。人材開発に関わる仕事の中でたまたま紹介を受け、「キャリア開発って面白そう」「勉強してみたい」と思ったことがきっかけでした。
資格を取得した時点で、今の自分を想像していたわけではありません。JCDAに入職し、多くの方々に支えていただき、人との出会いや対話の中で、少しずつCDAになっていったのだと思います。
その意味で、CDAやキャリアコンサルタントという資格は、取得して終わるものではなく、人と出会い、自分を問い直し、関わりの中で育っていくための入り口なのだと、改めて感じています。
その後のグループワークでは、参加者の皆さんが「私たちにできること」「資格をどう生かしていくか」をカードに書き出し、グループごとに対話を深めました。
発表では、さまざまな言葉が出されました。
学校、子ども、若者への支援。職場での関わりや組織の課題への対応。気軽にキャリアカウンセリングを受けられる社会づくり。つながりをつなぎ、輪を広げていくこと。キャリアカウンセリングを、社会のインフラのようにしていくこと。
あるグループからは、「人生の橋渡しになりたい」「道しるべになりたい」という言葉も出ていました。また、CDAとしての強みは、その人の生き様や、生きていく意味に関わっていくところにあるのではないか、という発表もありました。
「共に歩き、共に生きる」。
その言葉は、CDAが大切にしてきた姿勢を、とてもよく表しているように感じました。
最後は、全員で輪になって
この日の最後、50名を超える参加者全員で椅子だけの輪をつくり、一人ひとりが一言ずつ、振り返りや感想を語りました。
椅子がぐるりと並び、参加者全員の顔が見える形になりました。午前中に語られた12年の歩み、午後のワークで出されたこれからへの思い、久しぶりの再会、初めての参加、恩人への感謝。それぞれの言葉が、短いながらも、その人の今日一日の経験としてそっと置かれていくような時間でした。
誰かが代表してまとめるのではなく、一人ひとりが自分の言葉で今日を閉じる。
それは、とてもJCDAらしい光景だったと思います。
地域の中で、見える存在になる
今回のイベントを通して、私が強く感じたことがあります。
宮崎地区会は、これまで「学びの場」として、多くの方々に支えられながら歩んできました。その学びの場が、これからは地域の中でさらに開かれ、CDAやキャリアコンサルタントが「見える存在」になっていく段階に向かっているのではないか、ということです。
市民の方々が集まる場所に、CDAがいる。
キャリアについて話せる人がいる。
人生や働くことについて、安心して語れる場がある。
そうした存在が地域の中に自然にあることは、とても大きな意味を持つと思います。
宮崎の皆さんの温かさ、ゆるやかさ、そして人と人とのつながりを大切にする力は、地域の中でキャリア支援を広げていく上で、大きな可能性を持っていると感じました。
12年の感謝から、次の一歩へ
今回の12周年記念イベントは、単に過去を懐かしむ時間ではありませんでした。
宮崎地区会を立ち上げ、支え、つないできた「恩人」の皆さまへの感謝を確かめる時間であり、同時に、これからの宮崎地区会がどこへ向かっていくのかを、参加者一人ひとりが自分の言葉で考える時間でもありました。
12年の歩みの中には、出会いがあり、学びがあり、支え合いがありました。時には難しい時期もあったと思います。それでも、宮崎地区会は、人と人とのつながりを大切にしながら、今日まで歩みを重ねてこられました。
一回一回の地区会を支えてきた方々の思い、場を準備してきた方々の工夫、そして参加し続けてきた会員の皆さんの存在があって、今の宮崎地区会があります。
最後に全員で輪になり、それぞれの言葉で一日を振り返った時間は、その歩みをそのまま表しているようでした。
宮崎地区会の皆さま、九州・沖縄支部の皆さま、そして今回のイベントを準備・運営してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
また宮崎に伺い、皆さまとお会いできる日を楽しみにしています。
宮崎地区会のこれからの歩みが、地域の中でさらに豊かに広がっていくことを、心より願っています。
JCDA理事長 佐々木 好
▼参考
JCDAには、全国に9つの支部と33の地区があります。支部・地区会は、各地で会員が集い、学び合い、語り合い、実践につなげていくための地域活動の場です。
その活動は、各地域の支部長・地区長をはじめ、幹事や運営に関わる会員の皆さんのボランティアによって支えられています。同じ会員の立場から、地域の仲間が安心して集い、学び続けられる場をつくるために、時間と力を寄せてくださっています。
資格を取得して終わりではなく、地域の仲間と出会い、自分自身の経験を振り返りながら、CDA・キャリアコンサルタントとして成長していく。そのような継続的な学びとつながりを支えているのが、支部・地区会の活動です。
宮崎地区会の歩みもまた、その一つです。




