皆さん、こんにちは。JCDAの佐々木です。
9月12日(土)は広島へ、翌13日(日)は岡山へ。広島地区会と岡山地区会の共同企画として、2日間にわたり、中国・四国支部の皆さんとご一緒する機会をいただきました。
今回の企画テーマは、「未来を創るキャリア支援:佐々木理事長と語る“次のステージ”」。
JCDAがこれまで歩んできた道を振り返りながら、これからのキャリアカウンセリング、そしてCDAの役割について、参加者の皆さんと対話を通して考えていこうという企画です。
私からは両会場で、「CDAの原点、いま、を見つめ、これからを共に描く」というテーマでお話をしました。
普及するからこそ、専門性と倫理を
広島地区会には、以前にも倫理をテーマとした勉強会にお招きいただいたことがあります。今回、久しぶりにお会いする方もいらっしゃいました。当日は20名を超える方々が参加、広島だけでなく山口から足を運んでくださった方もいました。
その中のお一人から、長年一緒に学んできた仲間たちと、地域で新しい取り組みを始めたというお話を伺いました。
少し誇らしげなその表情からは、仲間への信頼も伝わってきました。とても幸せな気持ちでお話を聞きながら、心からエールを送りたいと思いました。
今回の講演では、JCDAの現在地を振り返るとともに、厚生労働省の報告書でも示されている、これからのキャリアコンサルティングに求められる「開発型」の支援についてお話しし、CDAが捉える「成長」とは何かを、皆さんとあらためて考える時間を持ちました。
一方で、キャリアカウンセリングが社会に広がっていくほど、私たちの専門性の質や倫理は、これまで以上に問われることになります。
資格を取得しただけで専門職になるのではなく、学び続け、自分自身の関わりを問い続けること。
相手を評価によって固定しないこと。
その人の主体性を尊重すること。
そして、自分の言葉や関わりが相手にどんな影響を与えるのかを振り返ること。
キャリアカウンセリングをもっと社会に広げたい。だからこそ、その担い手である私たち自身が、専門性と倫理を磨き続ける必要があるのだと思います。
広島・夢カフェ――語ることで、自分に気づく
広島では、私からのお話のあと、約2時間半の「夢カフェ」が行われました。
大切にしたのは、つながり、対話、未来の創造。
「なぜCDAやキャリアコンサルタントになったのか」
「今の活動で大切にしていること、課題は何か」
「これから、どのような夢をカタチにしたいのか」
そんな問いをきっかけに、テーブルを囲んで語り合いました。途中ではメンバーを入れ替え、「他花受粉」のように、それぞれのテーブルで生まれた思いや気づきを別の場所へ運んでいきます。
夢カフェでは、いま話している人が手にする「トーキング・オブジェクト」を使うのですが、広島地区会では、きれいな折り鶴を用意してくださいました。
その折り鶴を手にしながら、2019年6月22日に開催した「JCDA広島大会 共に生きる 今、CDAができること~新時代に向けてあなたは何を描きますか~」のさまざまな場面も思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。
最後の振り返りでは、こんなお話がありました。
「話しているうちに、自分の中にモヤモヤがあることに気づきました」
そして、「今日ここにいる人たちだけでも、こんなにいろいろな人がいることが分かった。もっと地域で仲間とつながっていきたい」という声もありました。
私は、この言葉がとても印象に残っています。
人に話してみることで、初めて自分の中にあるものに気づく。違う経験をしてきた人の話を聴くことで、自分の世界が少し広がる。そして、「一人ではなかった」と気づくこともある。
CDAが地域でつながることの意味が、その場に表れていたように思いました。
また、とても素敵な熱烈応援グッズ(詳細は割愛します・・・)までご用意くださり(笑)、最後に皆さんと一緒に記念撮影ができたことも、良い思い出になりました。
岡山――輪になって始まった時間
翌日は岡山へ。岡山でも素敵なウェルカムボードを用意してくださり、久しぶりの訪問を歓迎してくださっていることが、心から伝わってきました。
当日の参加者は16名。最初はみんなで輪になり、一人ずつ自己紹介をするところから始まりました。
お互いの存在をともに歓迎しながら、とてもあたたかな空気がありました。
皆さんのお話や、その場から伝わってくる雰囲気を受け取りながら、
「今日はこの話をしたほうがいいかもしれない」
「ここはもう少し皆さんと考えたい」
と、事前に準備してきた内容から、少しずつ話すことを変えていきました。
ある意味、インプロビゼーション(即興)です。
こうしたライブ感もまた、同じ場所に集まり、顔を合わせるからこそ生まれるものなのだと思います。
「役割を帯びた私」と「一人の私」
岡山で皆さんとお話ししながら、私自身についても考えていました。
私はJCDAの理事長であり、組織を経営する立場でもあります。
一方で、その役割を離れれば、一人の人間でもあります。
個人としての私。
経営者という役割を帯びた私。
どちらか一方だけが「本当の私」なのではなく、どちらも私です。
けれど、立場や役割を持つほど、時には本音をそのまま語ることが難しくなることがあります。
「これは理事長としてどう答えるべきなのだろう」
「これは組織を背負っている自分が口にしていいことなのだろうか」
そんなことを考えることも、もちろんあります。
でも、その役割も含めてその人を受け止め、話を聴き、対話できる存在。
私は、それがCDAではないかと思っています。
そして、これは私だけの話ではありません。
経営者、教員、管理職、専門職など。
世の中には、「立場があるからこそ、本音を話しにくい」人がたくさんいます。
個人としての自分と、社会から期待される役割を、簡単には切り離せない人もいます。
そんな方々が、「この人になら話しても大丈夫」と思える存在に、CDAはなってほしい。
そんなことも皆さんにお伝えしました。
私自身は、ありがたいことに全国各地に話を聴いてくださるCDAの仲間がいます。
考えてみれば、これほど恵まれたこともありません。
だからこそ、同じような「聴いてもらえる場」を、もっと社会の中につくっていけたらと思います。
安心して話せるから、本音の対話になる
岡山では、「キャリアカウンセリングの良さを伝え、広げていくために私たちにできること」をテーマに、グループでの対話が行われました。
ワークシートには、
「キャリアカウンセリングの価値とは何か」
「私たちだからこそ提供できる支援や強みは何か」
「自分が大切にしているキャリア支援の姿勢は何か」
といった問いが用意されていました。
限られた時間の中ですべての問いを扱えたわけではありませんが、皆さんが率直な思いや考えを語り合い、ファシリテーターのサポートのもとで、その時間に生まれたものを分かち合いました。
「安心安全な場」という言葉は簡単に使えますが、本当の意味で安心して話せる場は、誰か一人がつくるものではありません。
話す人がいて、聴く人がいて、判断せずに受け止める人がいる。参加した全員で、少しずつつくっていくものなのだと思います。
あの日は、皆さんと一緒にそんな場をつくれたのではないかと感じています。
だからこそ、率直な質問や振り返りも出てきたのでしょう。
私自身も、皆さんの言葉を受け取りながら、できるだけ誠実にお話しすることができたと思います。
「参加して本当によかった」
今回、岡山地区会に初めて参加してくださった方もいらっしゃいました。
終了後に、「参加して本当によかった」と、とても喜んでくださったことも嬉しい出来事でした。
地区会という場のあたたかさに触れ、新しい刺激を受け取ってくださった様子を拝見しながら、あらためて地域の場の大切さを感じました。
もちろん、誰もがいつもJCDAの活動に参加できるわけではありません。仕事が忙しい時期もあれば、家庭の事情もあります。いろいろな思いや出来事があって、地区会をはじめとしたJCDAの活動から、しばらく離れる方もいるでしょう。
それぞれの生活の中で、自分なりの形でCDAであり続ける。それでいいのだと思っています。
JCDAは「実家」のような場所でありたい
私は、JCDAが皆さんにとって、「実家」や「ふるさと」のような場所であってほしいと思っています。
いつもそこにいなくてもいい。
毎回活動に参加しなくてもいい。
違う場所へ行って、新しいことに挑戦してもいい。
でも、会いたくなったら、いつでも来てね。ここにいるよ。待っているよ。
そう言える場所でありたい。
大切な思いがあって、大切な人たちがいる。
少し離れていても、戻ればまた話せる仲間がいる。
そんなつながりを、これからも大切にしたいと思います。
そして、その場所を日々つくってくださっているのが、全国の支部・地区会の幹事の皆さんです。
本部が企画して、地域に届けているのではありません。地域にいる皆さんが、人を迎え、つなぎ、場を育ててくださっている。その積み重ねがあって、JCDAというキャリアコミュニティがあります。
今回も広島、岡山の皆さんが、本当にたくさんの準備をしてくださいました。心から感謝しています。
未来は、こうした場からつくられていく
JCDAが2030年に向けて掲げている方向の一つに、
「人と社会のつながりを豊かにする。可能性の扉を開く」があります。
未来というと、何か大きな計画の先にあるもののように感じます。
でも、今回の広島と岡山で感じたのは、未来は案外、こうした小さな場から始まるのではないかということでした。
自分の思いを誰かに話してみる。
誰かの経験を聴いて、自分の中の何かが動く。
久しぶりに仲間に会う。
初めて地区会や勉強会に参加してみる。
そこから、新しいつながりや活動が生まれていく。
そんな一つひとつが、キャリアカウンセリングを社会に広げ、私たち自身の専門性を育て、次のJCDAをつくっていくのだと思います。
広島地区会、岡山地区会、中国・四国支部の皆さま、そしてご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
また皆さんとお会いし、続きを語り合える日を楽しみにしています。
JCDA理事長 佐々木 好





